第3回夢百合杯世界オープン戦準決勝三番勝負第二局

11月19日に「第3回夢百合杯世界オープン戦」の準決勝三番勝負第二局が行われた。
中国の李軒豪六段と韓国の朴廷桓九段が一勝を返し、最終局に望みを繋げた。
以下に対戦成績をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【11/19(日):第2局】
朴廷桓九段(韓)ー謝科四段(中)
李軒豪六段(中)ー朴永訓九段(韓)

世界戦全般で序盤早々の三々入りを用いる実戦例が急増している。
「星に三々入り」がほとんどで「星にカカリ」を選択する方が珍しくなっているほどだ。
大きく変化し続ける現代碁はどこに向かうのか、世界戦の動向に目が離せない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:三々の感覚】
黒番が謝科四段、白番が朴廷桓九段です。
黒5と二間ジマリに構えてから黒7と隅に入るのが、代表的な三々入り布石。
左上に白が控えているので、白Aから左辺を厚くしていくのが自然な流れです。


白8に黒9から13と先手で左下隅を荒らしてから黒15と左辺を割るのが黒の意図。
左下の厚みを牽制するだけでなく、左下の白を狙えるのが三々戦術の特徴です。


白16、18と厚みを整備してから、白20と手堅く守る実戦例が増えてきました。
左下の厚みとの幅が狭いように見えて、一昔前なら白悪いと言われていた形です。
しかし、左下の白は見た目ほど強い石でないので、これも立派な受けでしょう。
黒21と走られても、白22など右辺を割れば白十分追いつける碁形です。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:厚みを活かしづらい】
白1は黒2から8と隅を荒らされてから、黒10など大場に走られて白悩ましい。
左下の厚みを活かして下辺に白陣を築きたいが、どう広げるべきか難しいのです。


白11と一杯に広げるのは、黒12のハサミが厳しいです。
白13には黒14から18と左下の白に寄り付きながら下辺の黒を整形されてしまいます。
かと言って、下辺を狭く構えるのは効率が悪いため白の打つ手がなくなっているのです。


【参考図2:傷だらけの白】
蛇足ですが、白1と狭く構えるのは黒2の打ち込みの対処が難しいです。
白3と攻めても、黒4から8と進出されて下辺の黒は捕まりません。
白はAやBの傷を抱えながら左下を寄り付かれて白不満な展開でしょう。


【参考図3:左下への寄り付き】
白1と迫るのは黒2と白3を交換した後、黒4とヒラかれるのが厳しいです。
後に黒A、白B、黒Cの狙いがあるため、白は補強する必要があります。


白5など手を戻すなら、黒6と丁寧に左辺を守って黒十分です。
黒Aと白の形を崩す手が残っており、依然として左下の白への寄り付きが残っています。
こうした借金を残す展開を避けるため、実戦は左下の白を補強したのです。

「編集後記」
三々戦術はプロアマ問わずに数多く打たれるようになりそうです。
独特な感覚を求められる布石なので、実戦例を見て慣れた方が良いかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする