第8回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権決勝戦

11月10日に「第8回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権」の決勝戦が行われた。
韓国の崔精七段が中国の王晨星五段に勝利し、本棋戦2回目の優勝を果たした。
優勝賞金は30万元(約520万円)、準優勝は10万元(約173万円)です。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:両カカリの周辺】
黒番が王晨星五段、白番が崔精七段です。
黒1の両カカリに白2、4と対応するのが常套手段。
黒5、7は地を稼ぎながら白の断点を強調させる手で最近よく打たれる手法です。
白Aのツギを選択することが多いですが、白8と柔軟にかわしていきます。


黒9に白10から14と手堅く受けていきます。
両ガカリされた格好なので、厚い形ができれば白もそこそこな戦果でしょう。
全局的には黒15と左辺に回られて、黒足早な展開に見えますが・・・。


黒17、19と右辺に走られますが、白20と相手の態度を聞いたのが冷静でした。
左辺の白陣を固めるよりも、黒23と上辺を守らせて白24と荒らす調子を求めたのが本命です。AやBなどサバく手段が残っており、黒からの攻めが見た目以上に利きづらいのが白の自慢。


【参考図1:全局的なバランス】
白1と守るのが最近よく打たれている受け方。
しかし、黒2と構える手が左上と左下を補強する働きがあり、黒不満のない展開です。



【実戦譜2:柔軟な立ち回り】
黒3と上辺を守った瞬間、白4と足早に中央へ進出したのが好判断。
黒5と突き抜かれても、白6で左辺と上辺を支えられるので黒の攻めをかわせています。


黒7、9と上辺の白を攻めながら右辺を広げるも、白10と突入して黒陣を削りに向かいます。
上辺の白は見た目以上の強度があり、白に弱い石がない状況なので深く踏み込めます。


黒13と右辺の白を攻めた瞬間、白14と相手の出方を伺ったのが面白い。
中央の主導権争いで後れを取らないよう、黒15と強く反発していきたいところ。
白16と黒17を交換して中央の利きを作ってから、白18と動き出すのが良い呼吸です。
中央を厚くするか、右辺の黒陣を削れれば白良しなので、黒の攻めが続きません。


黒23から29と中央を突破するも、白30まで上辺と右辺を整形して白十分な戦果です。
相手の出方を見てから自身の打ち方を変えることで、効率良い打ち回しを実現しています。
黒は攻めの矛先が失われ、AやBなどの薄みが残る碁形となりました。
結果、白中押し勝ち。


【参考図2:白薄い碁形】
白1から9でも上辺の黒陣を割れますが、黒AやBなどの狙いが残ります。
実戦よりも白薄い構えとなるため、黒の楽しみが残る碁形となります。

「編集後記」
明日から日本棋院でLG杯8強戦で行われます。
井山裕太九段が決勝まで勝ち上がれるか、注目していきます。

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