第8回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権準決勝

11月8日に「第8回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権」の準決勝が行われた。
中国の王晨星五段と韓国の崔精七段が勝利し、決勝戦進出を決めた。
以下に対戦結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【11/08(水):準決勝】
王晨星五段(中)ー呉侑珍五段(韓)
崔精七段(韓)ー於之瑩六段(中)

【11/10(金):決勝戦】
王晨星五段(中)ー崔精七段(韓)

準決勝に勝ち上がった女流棋士全員が本棋戦優勝経験者である。
(第4回:王晨星五段、第5回:崔精七段、第6回:於之瑩六段、第7回:呉侑珍五段)
他棋戦でも4名の名前を見る機会が多く、女流の世界戦を牽引する存在となっているようだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:サバキの手法】
黒番が呉侑珍五段、白番が王晨星五段です。
黒1、3と右辺の白に迫ったにも関わらず、白4と右下の白のサバキに向かいます。
確かに、黒に右辺を連打されても取られることはなさそうですが、勇気のいる決断です。
また、白4のツケはアルファ碁が示したサバキの手法で、有力と見られています。


黒5のハネを見て白6とツケるのが好手順。
続いて、黒Aと隅から受けるのは白8で右辺の黒陣が薄くなってしまいます。(参考図参照)
黒7、9と外周を厚くしますが、白10と右下を制されたのが大きく白有利なワカレです。
黒は損失を取り戻すべく、黒11から右辺の白を攻めますが・・・。


白12から18と手堅く脱出されて攻めが繋がりません。
右上の黒陣が固まった得も小さくないが、右下の損失が大きく白良しでしょう。
石を攻めていると手抜きされる可能性を忘れがちなので、注意しなければなりませんね。
結果、白3目半勝ち。


【参考図:利かしの効果】
白1に黒2と隅の根拠を奪いにいくのは、白3から5で白サバキ形となります。
△と▲の交換が黒にとって悪手となっており、右下の白を強く追及できません。


黒6、8と受けるくらいですが、白9と根拠を確かめながら右辺の黒を薄くして白成功です。
A~Cの傷があり、右辺の白を取りにいくのは先の遠い話と見るべきでしょう。



【実戦譜:独特な石運び】
黒番が於之瑩六段、白番が崔精七段です。
黒1に白2と右辺にヒラいたのが意外でした。
右上の白は厚い格好に見えるため、他の大場に回る方が大きく見えるからです。
ただし、黒3と下辺を連打しても、A~Dなど狙われるため全局的に黒薄い碁形です。
一方、白は左辺と右辺で隙の少ない構えを築けたので、既に白打ちやすく見えます。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:不安要素が残る】
黒1に白2と下辺を占める方が普通な感覚です。
しかし、黒3と右下に模様を築かれて、右下の二間ジマリが活きそうな展開になりそうです。


白4と左辺を構えれば白悪くないように見えますが、黒5から7の寄り付きが厳しいです。
右辺の白が弱い格好となるため、上辺や右下の黒陣の薄みを突きにくくなります。
実戦進行はこうした不安要素を取り除く上でも簡明かつ堅実な石運びでした。

「編集後記」
準決勝の対局は最新の手法や斬新な発想が現れた面白い内容でした。
中盤戦以降も激しい戦いが続いているので、ぜひ全手を見てほしいところですね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする