第30期中国名人戦三番勝負

11月1日から4日に中国・四川で「第30期中国名人戦三番勝負」が行われた。
連笑名人が羋昱廷九段の挑戦を退け、三連覇を成し遂げた。(賞額は30万元=約515万円)
以下に対戦結果をまとめたので参照ください。
※11/05(01:40):文章校正は明日行います。

第1局(11/01)ー羋昱廷九段、白中押し勝ち
第2局(11/02)ー連笑名人、白中押し勝ち
第3局(11/04)ー連笑名人、黒中押し勝ち

本棋戦では電子機器の持ち込みを禁止されており、不正防止が行われている。
囲碁AIの強さが周知されたことにより、勝負の公平性を保つ上で当然の処置だ。
碁の可能性が広がった一方、様々な問題に対応していかなければならない現実もあるようだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【第1局:柔軟な立ち回り】
黒番が連笑名人、白番が羋昱廷九段です。
白1のツケに黒2、4と形を決めるのは非常に珍しい打ち方。
AlphaGoMasterが現れて以来、三々の定石が大きく進化し続けています。


白5、7と右上隅を受けた後、白9から13と分断していくのが好手。
黒は右上一帯が薄い格好となり、早くも白が戦いの主導権を握ります。


黒14に白15、17と中央を厚くするのが堅実な打ち回し。
黒18とツメられても、中央の厚みがあるので白19と上辺の黒陣を割って白戦えます。


黒20で左上の白が心許ない格好に見えるが、白21と右上の黒の攻めに回ります。
黒22の急所を突かれ、部分的には白窮している形ですが・・・。


白27から33と左上の白を捨て石に、外回りを利かすのが柔軟な打ち回しです。
黒から連打された場なので、弱い石を担ぎ出すよりも捨て石にする方が簡明かつ安全です。
白35と右上の黒にプレッシャーをかけて、白が戦いの流れを掴みました。
結果、白中押し勝ち。



【第2局:大胆な構想】
黒番が羋昱廷九段、白番が連笑名人です。
黒2は左上の厚みを働かないよう、上辺の白陣を確実に二分する意図です。
白3から7と上辺の黒に迫り、どれだけ寄りつけるかが焦点となりました。


白9と厳しく迫るのは当然の態度。
黒10、12で取られる形ではありませんが、白15と中央を厚されて黒イマイチ。
続いて、黒AやBと上辺を補強すれば息の長い碁になりそうでしたが・・・。


黒16、18と左辺のポン抜きを優先したのが驚愕でした。
白19で上辺の黒が頓死してしまうため、黒の損失が大きいように見えるからです。
しかし、羋昱廷九段は上辺を取られるより中央を厚くされた方がツライと見ていたようです。


黒20と利かしていきますが、白21のツケコシが手筋で黒うまくいきません。
黒22から26と右上隅を固めても、白27と大場に回られたのが大きく黒劣勢は覆りません。
黒は上辺を捨てる大胆な構想を描いたものの、損失が大きすぎる結果となりました。
結果、白中押し勝ち。



【第3局:力強い頑張り】
黒番が連笑名人、白番が羋昱廷九段です。
黒1のカケは黒A、白B、黒Cと中央の白三子の切断を睨んだ手です。
穏便に受けていては黒の追い抜かれる可能性が高いため、白2から4と強く反撃します。
しかし、連笑名人の強打が炸裂し、一局の流れが黒に傾いていきます。


黒5、7が見た目以上に厳しい手でした。
全体的に黒のコウ材が多いので、白8に黒9とコウに弾いて頑張れるのがポイントです。
黒はコウを頑張り切って左辺の白陣を食い破り、勝利を手繰り寄せました。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
今回紹介した3局共、星へ三々に入る手法を取り入れられています。
やはり、囲碁AIの手法が人間の世界にも色濃く反映されているようです。
近い将来、こうした打ち方が常識となり、碁の打ち方が大きく変わっていきそうです。

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