第14期中国倡棋杯決勝三番勝負第2局

10月24日に中国・上海で「第14期中国倡棋杯決勝三番勝負第2局」が行われた。
序盤は檀嘯八段の軽快な石運びで、大場を次々に占めていく足早な展開となった。
中盤、江維傑九段の僅かな隙を突き、そのまま押し切り中押し勝ちを収めた。
2-0で檀嘯八段が勝利し、2015年春蘭杯以来のタイトル獲得となった。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:バランス感覚】
黒番が檀嘯八段、白番が江維傑九段です。
白1に黒2とハサんで右上一帯の模様を広げるのは当然の一手。
白3から11と穏やかにワカれた後、黒Aと右上の黒陣に芯を入れるのも一策ですが、
実戦は黒12と左下に回り、全局的なバランスを取る打ち方を選択します。


白13、15は最近打たれ始めた手法の一つ。
左辺の黒を固めてしまいますが、下辺の白陣を広げる狙いもあり一長一短です。
白17、19に黒20と下辺を割って白模様拡大を未然に防ぐのが好判断。
黒Aなどの狙いを見られており、下辺の黒は攻めづらい石となっています。


白23から27と右辺の黒陣を削りながら▲の攻めを睨みます。
しかし、左下の白に対する狙いや利きがあるため、▲は見た目以上に強い石です。
黒28は右上の黒陣を固めると同時に、右辺の黒を補強する好点。
白は下辺の手抜きを咎めるため、▲を攻めにいきますが・・・。


白29と下辺の黒を攻められても、構わず黒32と地を稼ぐのが機敏でした。
左下の薄みを見られているため、白35と備える必要があるのが白の泣き所。
黒36と中央に脱出すれば捕まる石ではなく、黒の実利に軍配が上がる展開。
白は左辺との連絡を断っても、左辺の黒は堅いためダメ場を打たされた格好になりました。


【参考図1:攻めにならない】
白1と上から圧力をかけるのは、黒2と根を下ろされて白の攻めが繋がりません。
AやBの利きがある上に、中央へ脱出する具合も見れるので下辺の黒はシノげています。
周囲の黒は堅いので、中央を厚くしても大きな利益は見込めません。



【実戦譜2:間隙を突いた強撃】
白1と利かしにいった瞬間、黒2と反撃するのが鋭い一手でした。
続いて、白Aと押さえるのは黒Bとノビられて白は断点だらけになります。


白3と右辺の白四子を取られないように受けるも、黒4と包囲網を突破されて白苦しい戦い。
白5にも黒6と手堅く受けて、右辺の白を分断することに成功しています。


白7、9と右辺の眼形を奪う手段を残してから、白11から13を切断していきます。
しかし、黒14と冷静に手を戻せば、AとBが見合いで白は連絡できていません。


白15と黒16を利かしてから白17、19と中央の形を決めるのが白の工夫。
黒20と切られて中央を黒に厚くされてしまうように見えますが・・・。


白21から黒26と形を決めてから、白27とホウリ込むのが白の狙いでした。
黒Aは白Bと先手で連絡された後、白Cと中央を突破されるのが厳しいです。
黒窮した形に見えましたが、相手の意図を崩すうまい手がありました。


黒28を利かしてから黒30と生きるのがうまい受け方です。
白31に黒32と手を戻す必要がありますが、Aの切りを残せたので中央を支え切れています。


白33から37で下辺の黒が取られるように見えますが、黒38が好手で捕まりません。
続いて、白Aと分断するのは黒B、白C、黒Dとシノぐ筋があり白うまくいきません。
この手を境に黒は流れを掴み、中盤の競り合いを圧倒していきます。


下辺の黒を取れないので、白41から43と右辺の白を補強する必要があります。
手番を得た黒は44と中央の白六子を孤立させて、黒有利な戦いになりました。


黒46に白47、49と脱出しても取り付く島もなく、白苦しい展開です。
白51は自身を連絡しつつ、AとBを見合いにして中央の黒を分断する手ですが、
黒54と丁寧に守られて、中央は白が一方的に攻められる格好となります。
黒は右辺の白に寄り付く狙いやCの味があるため、はっきり黒優勢です。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図2:シノギの確認】
黒1に白2、4と切断するのは黒5の切りが好手。
続いて、白Aと抱えるのは黒B、白C、黒Dで白を取れるので・・・。


白6と断点を守って抵抗しますが、黒7でAとBを見合いとなり黒シノげています。
中央の白六子が浮石となるので、黒有利な戦いでしょう。

「編集後記」
本局は檀嘯八段の力強い打ち回しが印象に残る一局でした。
序盤から中盤まで見所の多い対局なので、ぜひ並べてほしいところです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする